2023年秋
2022年秋植え
テニス中に気が付くと、右足がしびれていることがありました。そのうち、症状が進んで、テニスコートに向かって歩いていてもしびれるようになりました。
整形外科医院で受診しました。
医院では脊椎のレントゲン撮影で異常が無いとの診断されました。追加しての問診や検査は行わないで終了し、原因不明のままでした。他の原因については知識が無い様でした。
足が痺れる原因は色々ある様で、ネットで少し調べても、脊柱管狭窄症 、モートン病、外側大腿皮障害、総腓骨(ひこつ)神経障害、糖尿病性神経障害、足根管症候群、冷え症等が直ぐにヒットします。
症状について自己診断を行いました。症状や発生部位について特徴がありました。
1.すねの足首から膝の下までの間ですねの外側がしびれる。
2.足の甲がしびれる。
3.足の甲は中指と薬指から足首にかけてがしびれるが、親指や小指に近い部分ではしびれが発生しない。
4.足首から先が上がりにくく、かかとで歩く。
5.右足が痺れるが左足は痺れない。
6.右足は膝痛防止の目的で膝周辺に強圧迫のサポーターを装着している。
7.歩いたらしびれや痛みが強くなり、休んだらしびれが治まる。
症状や発生部位について自己問診し「総腓骨(ひこつ)神経障害」と診断しました。(症状や部位が近いモートン病との分別診断ました。)
モートン病 | 総腓骨神経障害 | |
すねの外側で発生 | × | 〇 |
足の甲で発生 | 〇 | 〇 |
親指や小指で発生しない | 〇 | 〇 |
足首から先が上がりにくい | × | 〇 |
右足のみ痺れる | 〇 | 〇 |
膝下の強圧迫のサポーター | × | 〇 |
間欠性跛行 | 〇 | 〇 |
総腓骨(ひこつ)神経障害
上の図の様に総腓骨神経は膝の外側を通る神経です。神経が膝の外側の骨が出っ張った部分を通り、すねの外側、足の甲へ伸びていきます。この神経は膝の外側あたりで皮膚の浅い部分を通っているため、外部からの圧迫を受けやすく、圧迫されるとすねの外側や足の甲(親指と小指方面は痺れない)にしびれが出ます。
膝痛防止目的の強圧サポーターでの腓骨神経の圧迫が原因と考えると、症状や発症部位、発症時期は納得できます。
消炎鎮痛薬やビタミンB12、神経障害性疼痛治療薬ののみ薬が治療薬ですが対処療法の薬剤が多く、あまり効果的な原因治療薬は無い様です。
サポーターの使用を中止してから症状の進行が止まり、かなり改善していますが、気が付かずそのまま継続していたらと思うと開業医には患者の立場に立ちしっかり勉強して欲しいところです。
信頼のおける専門医からセカンドオピニオンを得たいところです。
最近、慢性腎臓病(Chronic Kidney Disease:CKD)という病気にスポットがあたっています。現在日本には約1,330万人のCKD患者がいるといわれ、 これは成人の約8人に1人にあたる人数だそうです。 また、CKDを放置したままにしておくと末期腎不全となり、人工透析を受ける等が必要となります。CKD患者は、心臓病や脳卒中などの心血管疾患にもなりやすいとされており、いまや国民病の一つです。
一般的な健康診断では腎機能は、主に尿蛋白及び血清クレアチニンと年齢から計算で求めた「eGFRcre」で評価します。私は健康診断で数年にわたり血清クレアチニンと「eGFRcre」が異常値でした。
尿蛋白、「eGFRcre」のいずれか、または両方が3ヶ月以上持続する場合、慢性腎臓病と診断するそうで、私の場合は「eGFRcre」が数年にわたり異常なので慢性腎臓病(CKD)と診断されます。
具体的には「eGFRcre」の値が45~59で腎機能が軽度~中等度低下の状態でした(表1 GFRと慢性腎臓病ステージ分類)。放置してよいかどうか、ネットで調べてみると、このような場合は、血清シスタチンC値から計算したeGFRである「eGFRcys」で腎機能を確認するとされています。
健康診断をお願いしているかかりつけ医に測定をお願いしたのですが、血清シスタチンCについて知識がないので測定できないと断られました。
そこで、内科、泌尿器科、人工透析の診療を行っている別の医院にお願いして、血清シスタチンCの測定をお願いしました。その結果は、血清シスタチンCの基準値に比べわずかに異常との結果でした。残念ながら当該医院では「eGFRcys」を算出評価することが無い様子でした。
シスタチンCの基準値としては約0.7-0.9mg/Lが設定されています。しかし、シスタチンC基準値という概念はあまりなく、シスタチンCから算出したeGFRcysという値を評価することが大切とされています。ネットに掲載されている計算式に従い自身で「eGFRcys」を計算すると正常値でした。
自己判断では問題なしと判断できる状態ですが当該医院ではそのような知識がない様でした。
重要な問題であるので、やはり専門家による確認を取りたかったのですが、CKDについて徳島で唯一セカンドオピニオンが得られると公表している大学病院は敷居が高いので困っていました。
つい最近、内科・腎臓泌尿器科、生活習慣病を診療している医院の評判が良いことを知り、Googleマップのクチコミも確認のうえ、前年の測定から約1年たっていることも考慮して、腎機能の診察をお願いしました。
この医院では、前年までの検診結果を表にして説明したうえで尿蛋白、血清クレアチニンと「eGFRcre」、血清シスタチンCと「eGFRcys」の測定をお願いしました。
結果は前年とまったく同じで、尿たんぱくは(-)で正常、血清クレアチニンと「eGFRcre」血清シスタチンCは異状、「eGFRcys」は正常でした。
その他の腎機能に関する検査項目【 尿中蛋白定量、総蛋白(T-P)、総コレステロール、尿蛋白/クレアチニン比、尿素窒素(UN)、尿酸、CRP、ASO定量、Ig-A免疫グロブリン、C3(β1C/β1A) 、C4(β1E)】を含めての判断で異常なしと診断されました。
健康診断をしても検査内容を正確に理解できる開業医さんが少ないのは残念です。かかりつけ医制度に満足できず、大学病院等を高齢者が多数受診するのも理解できる気がします。
【参考】
血清クレアチニン(Cr)
定期健診などで一般的に行われる検査です。さまざまな値を調べて腎臓の機能を確認しますが、そのなかでも大切なのが血清クレアチニン値です。血清クレアチニン値が分かると、腎臓の機能を数値的に確認できます。
腎臓の機能の低下とともに、血清クレアチニンの値は高くなってきます。血清クレアチニンの正常値は、男性1.2mg/dl以下、女性1.0mg/dl以下です。
血清クレアチニンを用いた計算値eGFRは、簡便に腎機能を推定できます。
GFR(糸球体濾過量)
GFR区分(ml/分/1.73㎡) | 腎機能 |
---|---|
90以上 | 正常または高値 |
60~89 | 正常または軽度低下 |
45~59 | 軽度~中等度低下 |
30~44 | 中等度~高度低下 |
15~29 | 高度低下 |
15未満 | 末期腎不全 |
eGFR(推算糸球体ろ過量)
eGFRは腎臓の機能を示す指標であり、「GFR(糸球体ろ過量)」を推算したもので一般的には血清クレアチニン値と性別、年齢を基に「eGFRcre」として計算されます。
ただし、クレアチニンは筋肉から出る代謝物でもあるため、筋肉量により血清クレアチニン値が影響を受けます。
「eGFRcre」が異常値と診断された時は、筋肉量や運動、食事の影響を受けにくい血清シスタチンC値から「eGFRcys」を算出します。